GitHub CLI(gh)で開発効率を劇的に改善する実践ガイド
GitHub CLIを使ってissue管理、PR作成、レビューなどの日常的なGitHub操作を効率化する方法を詳しく解説します。AIツールとの連携方法も紹介。
はじめに
GitHubでの開発作業、まだブラウザで行っていませんか?
issue確認のためにブラウザを開き、PR作成でまたタブを切り替え、レビューコメントを見るためにさらに画面を行き来する。 この繰り返しに疲れを感じたことはありませんか?
GitHub CLI(gh
コマンド)を使えば、これらすべての操作をターミナルから離れることなく実行できます。
本記事では、実際の開発現場で役立つGitHub CLIの活用方法を、具体例を交えて詳しく解説します。
GitHub CLIとは?なぜ使うべきか?
GitHub CLIは、GitHubが公式に提供するコマンドラインツールです。 2020年にリリースされて以来、継続的にアップデートされ、現在では GitHub の主要な機能のほぼすべてをカバーしています。
Web UIと比較したメリット
-
コンテキストスイッチの削減
- エディタとブラウザの切り替えが不要
- 開発フローが途切れない
-
自動化が容易
- シェルスクリプトやCI/CDに組み込み可能
- 繰り返し作業の効率化
-
高速な操作
- APIを直接叩くため、UIの読み込み待ちがない
- キーボードだけで完結
-
AIツールとの親和性
- Claude CodeやGitHub Copilotからの直接実行
- コマンドの履歴が残り、再利用しやすい
インストールと初期設定
インストール方法
# macOS (Homebrew)
brew install gh
# Windows (winget)
winget install --id GitHub.cli
Linux/Unixでのインストールは公式ドキュメントを参照してください。 各ディストリビューションに対応したインストール方法が詳しく解説されています。
認証設定
# 対話形式で認証
gh auth login
# 認証状態の確認
gh auth status
認証時のポイント
- SSH接続を選択すると、既存のSSHキーを利用可能
- scopeは必要最小限に設定(後から追加可能)
日常的な使い方:基本編
リポジトリ操作
# リポジトリのクローン(自動的にupstreamも設定)
gh repo clone owner/repo
# 現在のリポジトリ情報を表示
gh repo view
# ブラウザで開く
gh repo view --web
# フォーク作成
gh repo fork
Issue管理
# issue一覧を表示
gh issue list
# 自分にアサインされたissueのみ
gh issue list --assignee @me
# 特定のラベルでフィルタ
gh issue list --label "bug" --label "priority:high"
# issue作成(インタラクティブ)
gh issue create
# issue作成(オプション指定)
gh issue create --title "バグ: ログイン時のエラー" \
--body "再現手順: ..." \
--label "bug" \
--assignee @me
Pull Request操作
# PR一覧
gh pr list
# 現在のブランチからPR作成
gh pr create
# ドラフトPRとして作成
gh pr create --draft
# テンプレートを使用してPR作成
gh pr create --template .github/pull_request_template.md
# PRをチェックアウト
gh pr checkout 123
# PRの詳細表示
gh pr view 123
# PRのdiffを表示
gh pr diff
AIツールとの連携
Claude Codeでの活用例
Claude Codeの記事でも触れましたが、ghコマンドはAIエージェントから直接実行できます。
現在のAIモデル(claude-sonnet/opus-4やgemini-2.5-flash/pro)は既にghコマンドの構文を理解しているため、GitHubに対して操作したいことを自然言語で依頼すれば、適切なコマンドを生成・実行してくれます。
# Claude Code内でPR作成
# AIがコミットメッセージを分析して適切なPRタイトルと説明を生成
# 1. 変更内容の確認
gh pr diff
# 2. PR作成(AIが内容を理解して説明文を生成)
gh pr create --title "feat: ユーザー認証機能の実装" \
--body "## 概要
認証機能を実装しました。
## 変更内容
- JWTトークンベースの認証
- リフレッシュトークンの実装
- セキュリティヘッダーの追加
## テスト
- 単体テスト追加済み
- E2Eテスト追加済み"
GitHub Copilot CLIとの組み合わせ
# Copilotに質問しながらghコマンドを実行
gh copilot suggest "特定のユーザーが作成したissueを全て閉じる"
gh copilot explain "gh pr checks"
まとめ
GitHub CLIは単なるコマンドラインツールではなく、開発ワークフローを根本的に改善する強力なツールです。
導入による効果
- 時間短縮: ブラウザ操作と比べて約60%の時間削減
- 自動化: 繰り返し作業をスクリプト化
- 一貫性: チーム全体で同じワークフローを共有
- AI連携: 最新の開発支援ツールとのシームレスな統合
次のステップ
- まずは
gh pr list
とgh issue list
から始める - よく使うコマンドをエイリアス化
- チーム独自のワークフローをスクリプト化
- CI/CDパイプラインに組み込む
GitHub CLIを使いこなすことで、より本質的な開発作業に集中できる環境が整います。 ぜひ今日から導入して、その効果を体感してください。